脱毛サロン開業は、資格が不要であり開業資金や運営資金を抑えやすいことから、手軽に開業できるとして注目を集めています。
この記事では、脱毛サロンを開業するうえで、最低限おさえておくべき準備や手続きを紹介します。
開業するかどうかを検討したい場合や開業までの流れを把握したい場合の参考にしてください。
脱毛サロン開業に必要なものと費用
脱毛サロンを開業するにあたり、まずは必要なものや資金を把握する必要があります。
以下の内容を参考に、脱毛サロン開業までにかかる日数を把握したり、いくら資金を用意しておくべきかを検討したりするとよいでしょう。
脱毛サロン開業に必要なもの
脱毛サロンを開業するにあたって必要なものは、脱毛機を除いて主に「店舗に関わる費用」「備品」に分けることができます。
店舗に関わる費用は、以下のとおりです。
・家賃(前払い分)、敷金、礼金、火災保険、仲介手数料などの物件取得費
・場合によって、内装工事や駐車場代
脱毛サロンを開業する場所に制限はありません。
マンション一室からでも開業可能なため、自宅やマンションで開業して、物件取得費をはじめとする開業費用を抑えることができます。
ただし、マンションをはじめとする賃貸物件のなかには、商用利用や内装工事を禁止している場合があるので、事前に契約内容を確認しておくようにしましょう。また、業務用脱毛機の種類によって、ワット数が大きい脱毛機の場合、別途電気工事が必要な場合がありますので、合わせて確認が必要です。
以下は、必要な備品です。
・大型備品:脱毛機、施術用ベッド、スツール(椅子)、タオルウォーマー、タオルクーラー、ワゴン、消毒用衛生機器など
・小物備品:バスタオル、フェイスタオル、シーツ、スリッパ、ガウン、カミソリ、使い捨てショーツなど
・接客用備品:筆記用具、領収書、マスク、ユニフォーム(施術着)、掃除用備品、消毒液など
・店内環境備品:観葉植物、茶葉、コップ、雑誌、オーディオ機器など
・書類関係:カウンセリングシート、施術同意書(契約書)
とくに、施術同意書(契約書)には、細心の注意が必要です。
内容不備はトラブルの原因になるため、インターネット上で公開されているテンプレートを利用する際は、そのまま利用せずに内容をしっかりと確認してから利用するとよいでしょう。
脱毛サロン開業に必要な準備資金
脱毛サロン開業にかかる準備資金は、自宅サロンの場合で100万円から200万円程度、テナントサロンの場合で400万円程度だといわれています。
脱毛機や内装工事以外にかかる準備資金の内訳は、以下のとおりです。
・物件にかかる初期費用: 100万円前後(家賃を除く)
敷金、礼金、保証金 | 家賃4か月から6か月相当 |
火災保険 | 1万円程度(年間) |
管理費 | 家賃の10%程度 |
仲介手数料 | 家賃1か月相当 |
・備品にかかる初期費用:15万円から30万円程度
施術ベッド | 8万円前後 |
スツール、タオルウォーマー、消毒用衛生機器など | 5万円程度 |
そのほか備品 | 5万円程度 |
もし、準備資金に不安がある場合は 、国や各自治体による助成金や補助金の利用を検討するとよいでしょう。
助成金や補助金は基本的に返済義務がないため、安心して申請できるといえます。
脱毛サロン開業にあると有利な資格
脱毛サロンを開業するにあたって、特別な資格や免許を取得する必要はありません。
しかし、いくつかの民間資格を取得しておくことで、集客に有利になったり脱毛サロンの信用度が高まったりすると考えられます。
たとえば、日本脱毛安全普及協会の「3級脱毛士」や日本エステティック協会の「AJESTHE認定エステティシャン」 の取得がおすすめです。
日本脱毛安全普及協会の「3級脱毛士」は、基礎的なエステティックの知識と技術を証明する資格であり、実務経験がなくても講習を受講するだけで取得できます。
脱毛やエステの知識を深めたい場合や、安全な施術を提供するための知識や技術を身に着けたい場合に適した資格です。
日本エステティック協会の「AJESTHE認定エステティシャン」は、エステティシャンとしての基本的な知識や技術を身に付けることができます。
資格取得条件は、実務経験1年以上か認定校に通うことであるため、脱毛サロン開業までに時間をとれる人に適した資格です。
すぐに取得できる資格ではありませんが、フェイシャルやボディの手技を取得できるので、エステメニューを導入するなどして客層を広げることができます。
脱毛サロン開業に必要な届け出や手続き
必要なものや準備資金を把握したあとは、脱毛サロンを開業するまでの流れを把握して計画を立てていきます。
計画に不備があった場合、スムーズに開業できなかったり予定していた日程で開業できなかったりすることもあるため、慎重に検討していきましょう。
脱毛サロン開業の事業計画を立てて実行する
脱毛サロンに関わらず、事業を開始する前には「どのような事業を運営していくか」を具体的に考えておく必要があります。
これを「事業計画」といい、脱毛サロンのコンセプトや顧客のターゲット層などを設定したうえで、どのような店舗をつくっていくかを考えたり、その手段を決定したりするために活用するものです。
事業計画のひとつとして、顧客ターゲットを明確化することがあげられます。
顧客ターゲットを明確化することで、ターゲット層が好む内装に仕上げることができたり、利用しやすい料金に設定したりすることが可能です。
満足度の高いサービスの提供ができるうえ、リピーター確保にもつなげることができるでしょう。
言い換えれば、事業計画が曖昧であれば、脱毛サロンのコンセプトがぶれてしまい、立地に適していない、顧客ターゲットにささらないサロンになってしまう恐れがあるのです。
顧客を確保するためにも、安定した脱毛サロン経営をするためにも、事業計画はしっかりと練ることをおすすめします。
脱毛サロン開業直前!集客のための販促計画
脱毛サロン開業の目処が立ったら、開業日を決めて集客を行う必要があります。
近隣にチラシを配ったりインターネットを利用したりして、情報発信していきましょう。
とくに、SNSを利用した集客方法は無料で手軽に情報を発信できるうえ、情報の拡散力も高いです。
場合によっては、見込み客である20代から30代の女性にアプローチできる、地域情報を取り扱うフリーペーパーや、脱毛サロンをはじめとするサロンを掲載しているサイトに自身の脱毛サロンを登録するのもよいです。
クーポンを配布したり施術後の口コミ割引などを設定したりすれば、集客効果を高められるうえ、二度目の来店を促すこともできます。
また、電子決済サービスやクレジットカードなどの支払い方法を充実させることも大切です。
支払い方法を充実させれば客層も広がるため、決済代行サービスなどを上手く活用しましょう。
脱毛サロン開業後は税務署に開業届を提出
脱毛サロンを開業するにあたって、保健所への届け出などは必要ありません。
ただし、脱毛サロンをオープンした1か月以内に、管轄税務署へ「開業届」を提出する必要があります。
開業届とは、個人事業を開業したことを税務署に届け出るための書類です。
提出することで、最大65万円の節税が可能となる青色申告ができたり、赤字を繰り越して事業負担を抑えたりすることができます。
開業届を提出しなくても罰則などはありませんが、届け出は無料で行えるため、税負担を軽減させる意味でも提出するとよいでしょう。
まずは、個人事業として脱毛サロンをはじめて、売上が安定し、事業拡大を検討するタイミングで、法人化をしている脱毛サロンが多いです。
脱毛サロン開業のまとめ
脱毛サロンは、特別な資格や内装などを必要としない、比較的簡単に開業できる業種です。
さらに近年、ミドル世代や男性も脱毛を行うようになったことから、脱毛サロンの利用者は急増しているため、高い需要があるともいえます。
今回紹介した、最低限準備するものや流れを参考に、無理のない脱毛サロンの開業計画を立ててみてはいかがでしょうか。